buonitaliaのblog

この間家から車で10分くらいの山まで散歩がてら行ってみた。5年間住んでいて、いつか行ってみようと思いながらなかなか行けなかった所だ。一番高い所でも千メートルくらいの山だが、道は舗装されていないし、家も一件もない所だ。

この山は栗の木がびっしりと生えていて、もうすぐ始まる栗祭りの栗はここで採れる。栗の木は全て大木で、それは見事なものだ。

車でガタガタ道をのぼって行くと、道の左側に大量の薪が並んでいる。道は幅が狭く、薪があるので車がやっと一台通れるくらいだ。薪の列は登って行くにつれどんどん増えて行き、ズラーッと3キロの薪の道が続いていて
圧巻だった。右側の森の中には、この薪を運ぶ仕事をしているラバ(馬とロバの間の子)がウロウロしている。

上の方まで行くと、「Grotta Bella」と矢印が出ている。グロッタが洞窟で、ベッラがきれい。きれいな洞窟?なんだか面白そうなので、その方向に向かって行ってみた。森の中をどんどんおりて行き、15分はたったけれど見つからない。道はどんどん悪くなり、ジープでも難しくなってきた。途中で矢印がなくなり、道が三つに分かれていた。三つとも行ってみたけど、どれも途中で道が悪くなって迷ってしまったので、行くのをあきらめて帰ることにした。

後で近所の人に聞いてみたら、その洞窟と言うのは地下に20キロ近く続く大洞窟で、道が入り組んでいてガイドがないと入ってはいけない場所だったそうだ。昔僧侶が二人中に入って見つからなくなり、何年かしてから洞窟の別の入り口の近くで死体で見つかったという、怖い洞窟だった。もし知らないで入っていたら大変なことになったかもしれないので、見つからなくてよかったと思った。しかしそんな大きな洞窟なら、今度はぜひガイドさんと一緒に行ってみたいものだ。

もうひとつ、この山は時々猟師がイノシシ狩りをやるので、きちんと情報を聞いてからでないと入らないように言われた。まったく無知な街の人だと思われてはずかしい。

今日子



最近は日本でもよく売られている乾燥ポルチーニ。生のポルチーニとはまた違った楽しみ方がある。なかでもよく作るのがポルチーニのリゾットだ。

乾燥ポルチーニを40gぬるま湯につけて柔らかく戻す(1時間くらい)。戻ったらポルチーニについている泥を、つけたぬるま湯の中で一つ一つ指でとって別の皿に入れる。焦げ茶色のつけ汁はさらしでこして鍋に入れて温める。

鍋にタマネギ半個のみじん切りを、オリーブオイルで30分以上炒める。時々かき混ぜる程度で、弱火でよく炒める。次に洗っていないお米(リゾット用)を250g入れ、強火でタマネギと一緒に炒める。熱くなったところで白ワインをカップ一杯多めに入れる。ここでお米がワインを吸うことが大切。

そしてブロード(肉でとったダシ)、なければブイヨンをポルチーニの戻し汁と合わせ、塩も小さじ1杯(好みで)足して沸騰させる。

絶えず木べらで米をかき混ぜながら、お玉でダシを一杯入れてはかき混ぜ、また一杯、という具合で10分から15分混ぜる。ダシはいっぺんにたくさん入れてはいけないのと、いつも弱火にかけて熱くしておく。ブイヨンを戻し汁に入れた場合、米を煮るのに足りなくなるので水を足しておく。

10分経ってお米が半煮えくらいになったら、泥をとっておいたポルチーニを入れ、またダシを入れながら、あと10分程煮る(絶えずダシを足し、かき混ぜる作業を繰り返す)。最後にパルメザンチーズをカップ一杯、バターを20g入れて火を止め、チーズとバターが溶けたら蓋をして1、2分蒸す。

これで2人分のリゾットができあがりだ。リゾットは水加減が大事で、最後の方でダシが足りなくなった場合は、熱湯を足しても良い。出来上がりがぽってりしているのがいい出来で、水分が多すぎてお米になじんでいなかったり、逆に少なすぎてバサバサしていてはいけない。これは経験で身につけるのが大事だ。

ポルチーニのリゾットは日本人の好みによく合い、みんな食べると大喜びする。ポルチーニ独特の濃い香りと、チーズとバターの豊かな香りが混ざってなんとも言えないおいしさだ。ポルチーニとイタリアンパセリはよく合うので、みじん切りをチーズを入れる段階で入れても良いだろう。

秋の味覚だが、乾燥ポルチーニは一年中おいしく食べられるのがうれしい。

今日子



夏野菜が終わる頃、畑を全部耕して冬野菜を植える準備をしなければならない。その時にいつもまだ熟れていない緑色のトマトが残る。このトマトは待っていても気温が十分高くないので赤くならない。

なによりも秋になるとトマトにカメムシがたくさんついてトマトを食べてしまう。消毒して緑のトマトを残しておく農家も多いが、私は全部採ってしまう。1つは冬野菜を植える場所がなくなってしまうからと、もうひとつは、やはりトマトは寒いと夏のようにおいしくできないからだ。

緑色のトマトはワラを敷いた箱に入れ、家の中においておくとほんのり赤くなる。でも中には若すぎてそうならないくらい緑のもある。そういうのはピクルス(酢漬け)にしたり、砂糖で煮て保存したりする。トマトの砂糖煮なんておいしくなさそうと思うかもしれないが、これがなかなかおいしい。

作り方は簡単で、生の緑のトマトの皮を剥いてトマトと同じ分量の砂糖と水で煮る。クローブを入れると香りもスパイシーになる。1時間ほど弱火で煮たら火を止めて一晩おく。次の日にトマトだけ取り出してのこったシロップを煮詰め、瓶に入れて保存する。

このトマトの砂糖煮は、熟れていない固いトマトが、煮たことで柔らかくなり、歯ごたえがクニっとして面白い。トマトの香りと甘みが混ざって、トマトとは思えない、何かの果物の様な感じがする。パンに付けてもよいし、チーズの付け合わせ、タルトの中身にも使える。サワークリームをつけて食べるとちょっとしたお菓子に早変わりだ。

緑のトマトの食べ方など、余ってどうしたらよいかわからなくなり、仕方なく考えだされただろうものなのに、うまく使えてすごくよかった気分になる。

今日子



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