buonitaliaのblog

2003年09月

*今日はシルヴィオ ピエルサンティのその日思ったことを書きます。

Spesso le persone importanti ci sembrano grandi perche' dabvanti a loro stiamo in ginocchio. Alziamoci in piedi, e ci accorgeremo che di grande hanno solo la loro presunzione.

よく権力のある人が大きく見えるのは、彼らの前で僕らがひざまづいているからだ。立ちあがってみると彼らの過信だと気がつくものだ。


Nella borsa dove hai messo tutto, non trovi mai quello che cerchi.

バックの中に全部入れたのに、探してるものは全然見つからない。

Se la bilancia servisse solo a dirci quanto siamo ingrassati o dimagriti, sarebbe uno strumento inutile: basta lo specchio.

もし体重計がどのくらい太ったか痩せたかを私達に伝えるだけなら、この機械はあまり役に立たないかもしれない。だって鏡を見たらわかるもの。

SILVIO



今日はイタリアはほぼ全土で大停電だった。私の住んでいるところでは、午前3時から午後3時までの12時間も停電した。ローマやミラノなどの大都市では比較的早く終わったようだ。

朝5時ごろ目を覚ますと夫が懐中電灯を持ってウロウロしているので、また何か変わったことをしているなと思いながら眠ってしまった。起きてから停電だと知って、またかと思った。この地域は雨が降って雷がなるごとに電気がとんでしまう所だからだ。ガソリンがなくなったので入れに行くと、電気がないから使えないよ、と軽く言われてしまう。

しかし今回はいつもより重大だった。電気がないと水もなくなるので近所の泉に水を取りに行ったりした。トイレも流れなくなるので困る。

イタリアはフランスから電気を買うことにしている。国民投票で、チェルノブイリのようになったらいやだからと、原子力発電所を作らなかったそうだ。他の国がどうなっても関係ないが、自分達だけは安全でいようということらしい。まったくイタリア的な考え方だ。

それでも電気がないと、電話もパソコンもテレビもなくてとても心休まる感じがして、一日ゆっくり過ごせたのでよかった。



近所でワイン作りが始まった。今年はこの地域はほとんど雨が降らなかったので、ブドウがとてもおいしい。お店で売っているものも、白ブドウは皮が金色に熟れていてとてもきれいだ(黄緑色のものは熟れてない)。

みんな山ほどブドウを自分の畑から摘んできて、実だけ機械で取り、ブドウを大きな樽の中に潰して入れる。ブドウのいい匂いが一斉にしてくる。自家製ワインは有名なバローロやモンタルチーノなどの最高級ワインと違い、なんというか、親しみやすくておいしい。毎日、毎食バローロの高いワインを飲めばちょっときびしいが(もちろんフトコロも)、農家の自家製ワインは毎日飲んでも飽きがこなくて、料理と一緒に楽しめる。750mlが150円くらいというのもうれしい。技がないぶんブドウそのものの味がシンプルでいいのかもしれない。やはり最高級ワインはたまに飲んでこそほんとうに感動できる。

日本で名前ばかりが先行しているワインだが、実際はそんなに有名なワインばかり飲んでいる人も少なく、その土地その土地のワインを皆楽しんでいる。古代ローマ時代からずっと親しまれてきた日常のものなのだなと納得できる。

フランスワインは世界中で有名だが、イタリアワインも技量は変わらないと言う。ではなぜフランスのワインは認知度が高いのかというと、やはり宣伝の仕方がよかったのだという。イタリア人はあまり売って儲けようと考えていなかったので出足が遅れたのだ。

ヨーロッパの人はブドウの種も皮もバリバリ食べてしまうが、私は日本で皮をむいて種を出して食べるやり方に慣れていたので、これを夫やイタリアの人々の前でやってとてもイヤがられた。皮と種がお皿にべちゃべちゃと山盛りになってきて自分で見ても汚いと思う。でもどうしてもツルンと飲みこむのが好きでやってしまう。夫に子供に変なことを教えるなと言われてしまった。小さい子には種までバリバリ噛んで食べるのが大変なのではと言ったら、そんなこと考える前に飲み込んでいるのだそう。やはりブドウの歴史が違うのだろう。

近所でたくさんブドウをいただいたので、ジャムを作って見た。すごくおいしいのだけど、やっぱり種が気になるのは私だけだろうか・・・。

今日子



ニョッキはジャガイモと小麦粉を練ってゆでて食べる。しかし売ってるものやレストランで食べてみて、”なんだ、スイトンのことか”と思ったことがある人も多いのでないだろうか。

なんだかゴムみたいであまりおいしくない・・・。これが私がイタリアのレストランで何度か食べてみた時の感想だった。

そしてはじめておいしいと思ったのは友人のお母さんに作ってもらったのを食べた時だ。その人が言うには、一番大切なことはおいしいジャガイモに出会うことだそう。ジャガイモが水っぽくなく、ホクホクしたものを選ばなければならないのだが、これがなかなかむずかしい。ニョッキ用という赤い皮のジャガイモも売っているが、ホクホクしていても味があまりよくない。

イタリアの野菜はおいしいと言うが、日本に比べて当たりはずれが多い。日本の野菜果物はとてもきれいで大きさもそろっていて、見た目もいい。が、ものすごくおいしい!ということもない。

イタリアのものはそれに比べて見た目も大小様々で、味も様々だ。おいしくないものは本当に我慢して食べる気にもならない。そのままごみ箱行きになる。そのかわり当たるとすばらしい味で、まるでイタリアそのものだ。

ニョッキの話に戻るが、次に大事なのは、小麦粉をたくさん入れ過ぎないことだ。ニョッキはジャガイモの味がしなければならない。小麦粉を入れすぎると水団になってしまう。卵を入れると固まりやすくなるが、ジャガイモの状態がいいものは入れなくても固まってしまう。

そして棒状に伸ばしたものを包丁で1口大に切ってゆでる。沸騰したお湯に入れて浮いてきたら引き揚げる。おいしいものはゴムのようでなく、やわらかくてそれでいてアルデンテなのだ。

ソースはゴルゴンゾーラなどのチーズ(ジャガイモとチーズの組み合わせが最高においしい)、トマトソース、バジリコジェノベーゼ、他にアサリと白ワインでもおいしくできる。最近はジャガイモを裏ごししなくても便利な機械ができるので、ぜひうちでもやってみてほしい。

今日子



アマトリチャーナというパスタをご存知だろうか。トマトとベーコンのパスタである。ローマのレストランでおすすめとなっている所が多いので、ローマ料理と思っている人も少なくない。

しかしアマトリチャーナはアマトリーチェというアブルッツォ地方(中部イタリアアペンニー山脈のあたり)の料理である。

とても小さな村で、歩いて一時間もしないで全部見られるが、この村のアマトリチャーナにたいするこだわりはとても強い。でまわっている瓶詰めのアマトリチャーナソースは本物ではないと、このソースを作っている各会社に抗議したほどである。

では本物はどうかというと、まずオリーブオイルではなく豚のラードとたまねぎのみじん切りをゆっくり炒める。ベーコンはグワンチャーレと言われるほっぺたの肉のベーコン(脂身が多い)をたまねぎと炒め、そこに生のトマト(熟したもの)を炒める。長く煮こまないで、できたらブカティーニというスパゲッティの中が空洞になっているもの(ちょっと食べにくい)を和えて、上に黒コショウ、ペコリーノ(羊のチーズ)をかけて食べる。香草、ニンニクは一切使わない。

これがアマトリーチェ市民のいうアマトリチャーナだそう。もともとのアマトリチャーナはトマトが入っていないパスタだったそうだが、今はトマト入りが主流になっている。

実際食べてみるとピリッとこしょうが利いて、トマトソースまみれでトマトの味しかしないというのと違う。少しのトマトでも煮こみすぎていないので甘味があっておいしい。羊のチーズの香りも独特でとてもおいしかった。ベーコンもラードもチーズも村では各家庭で作っているもので、やはり瓶詰めとは全然違った。

今日子



このページのトップヘ