buonitaliaのblog

2003年10月

28日、ローマのティブルティーナ駅で信じられないような事故が起こった。

この駅はテルミニ駅の次に大きな駅で、北からの入り口となっている駅だ。この大きな駅で、エスカレーターの工事の最中、工事中の看板を立てておかなかったため、イギリス人女性が中に入って階段の下に落ちてしまった。

その途端エスカレーターが動きだしてしまい、女性は中にはさまれたまま死亡した。助けようとした人も重傷だそうだ。

イタリアの駅のエスカレーターはしょっ中停止していて、誰でも通れるようになっていることが多いが、工事中でまして階段がはずされている状態で通れるようになっているとは信じがたい。

この国ではよく日本では信じられないようなことが起こるが、イタリアらしいと笑って済まされるようなことならいい。しかしこういうことが起こると本当に気をつけて生活せねばと、不安になってしまう。

今日子



ここ2週間ずっと雨が降っている。だいたい10月下旬から11月はじめまで毎年こういった天気が続く。そしてこれが終わると、いよいよオリーブの収穫だ。

ずっと肌寒い日が続いているので、暖炉が本当にありがたい。この時期になると暖炉の炭火を使った料理が増える。

赤ピーマンを炭火で焼いてオリーブオイルとニンニクと塩で和えると、香ばしくてとてもおいしく出来る。こちらではピーマンはほとんど赤と黄色の甘いピーマンで、子供の嫌いな野菜の上位にはまったく入っていない。にんじんも同様に甘くて食べやすいので、子供は喜んで食べる。

赤ピーマンはローストにしたもので余ったものをリゾットに入れたり、トマトソースのパスタに一緒に入れたりするとこれもすごくあう。

他にひき肉とお米を詰め物にしてオーブンで焼いたり、いろんな使い方があり、色もきれいで見栄えがする。

他に炭火を使った料理でおいしいのはフォカッチャだ。イースト菌を入れて発酵させたピザの生地を炭火で焼くと、オーブンではだせない、中がフワッとして外が香ばしいフォカッチャになる。

暖炉で暖まりながら、肉以外にもいろいろなおいしい料理ができ、鍋を洗う必要もないので、冬はすっかり暖炉に頼りきっている。

今日子



9月はじめに畑の野菜が夏野菜から冬野菜に変わるのだが、それから3ヶ月、カリフラワーやブロッコリー、カブなどが採れるまで野菜が不足する。

家庭菜園の難点は、一度にたくさん収穫したあと、次の野菜が出来るまで何もないということだ。4月に夏野菜を植える時も、しばらく何もない。その間どうするかいつも苦労する。

スーパーで野菜を買ったりもするが、他にたくさん出来すぎた野菜の冷凍を解凍して食べたりする。主にほうれん草やビエータと呼ばれる葉野菜、ズッキーニやカボチャ、ソラマメなどがある。葉野菜は洗ってサッと茹でたものを水を絞って冷凍する。ズッキーニやカボチャなどは一口大に切って冷凍する。もちろん、新鮮な方がずっとおいしいのだが、これはこれで便利である。

ほうれん草などは解凍して炒めて食べたり、それをパイの具に、チーズと一緒に入れてオーブンで焼いたりするなど、急にお客さんが来た時によい。ズッキーニやカボチャはミネストローネ(野菜スープ)を作る時に解凍しないでそのまま鍋に入れてコトコト煮る。

他に次の野菜ができるまでの期間、サラダをたくさん植えたり、そこらの野に生えているチコーリヤと呼ばれる野草で、ちょっと苦いがとても栄養のある野菜をとってきたりする。春と秋に雨が続くとたくさん生えるので、これも少し冷凍にしたりする。

もうすぐ出来る冬野菜で、一番の目玉は菜の花である。菜の花と言ってもブロッコリーと白いカブの葉っぱの中間のような植物で、これをお湯で茹でないで、そのままニンニクとオリーブオイルで炒めて食べると、苦味と甘味が混じってものすごくおいしい。はやくできないかと待ち遠しいものだ。

今日子



今日は近くの村で栗の収穫祭があった。私の最も好きなお祭りだ。この辺は樫の木と栗の木の山が続いていて、この時期になると栗の木の下に山のように栗が落ちている。

収穫祭では昔ながらの2m以上ある大きな鉄のなべで大量に栗を焼く。薪で火をたくさんたくので近くに行くと熱で顔が痛くなる。なべの横でおじさんがなべを回して顔を真っ赤にしている。

他に地元のおばさん達が作った数々の栗のお菓子が売っている。これらのお菓子は栗の好きな人にはたまらないだろう。栗を裏ごししたものにアーモンドなどを細かく刻んで丸めたものにココナッツやカカオをまぶしたもの、栗のクリームが入ったコルネット、栗の粉を使って焼いたお菓子などなど、普通のイタリアのお菓子に比べたらかなりレベルが高い!

マロングラッセに使うマローネ(マロン)という大きな栗もたくさん売っている。値段は今年は前年の倍近い値段で、1kg300円ほどする。

肝心の栗は、味が濃くて甘くてとてもおいしい。村で唯一のレストランでは栗を使った料理がたくさんでてくる。豚肉のローストに栗のソースをかけたものや、栗の入ったリゾット、栗のパスタなどどれも本当においしい。

道端では栗の他に揚げピザ(ドーナツの原型で、油で揚げたピザに砂糖をまぶしてある)が売っていて、アツアツで子供達の大好きなお菓子のひとつだ。辛党の人には自慢の手作りのソーセージを炭火で焼いていて、これもまたすばらしい味だ。

広場ではアコーディオンを弾いているおじさんがいて、普段まったく動かなさそうな人が楽しそうに踊っている。田舎の収穫祭は一流レストランでは味わえないような楽しくておいしくて新鮮なものがたくさん味わえて本当にうれしいお祭りだ。

今日子



イタリアに来て思ったのは、イタリア人は食べ物にすごく気をつけていることだ。良い意味でも悪い意味でも。

とにかく生クリームやバターなどの脂肪分の多い物を避ける傾向がある。もちろん生クリームを料理に使う人もたくさんいるが、肝心の生クリームが脂肪分を控えている何ヶ月も保存できるものか、植物性油を使ったものが主流である。本物の新鮮な生クリームはフランスや北ヨーロッパの人がよく行く店でないと見つけにくい。

ヨーグルトなどもほとんど脂肪分0.1%などでおいしくない。

一緒に食事をしても、これは消化に悪い、あれは胃に重い、とごちゃごちゃ言う人が多い。そんなんでついこちらも言われるとおり脂肪分の少ない料理を作るようになってしまった。しかし何年かそういう食事をしているうちに、たまにバターや生クリームをたくさん使ったフランス料理などを食べて、自分の胃がおかしくなってしまうことに気がついた。

以前ならこってりしたものでも平気で食べていたのに、どうしたことかと思う(年のせいもあるかもしれないが)。やはりこういうことは慣れなのだろうか。

フランスなど隣の国なのに、いろいろと違うので面白い。戦後はレストランでパスタにバターを入れるか入れないかで値段が違ったそうだが、バターはイタリア人にとって高価なものだったのだろう。

うちのおいしいオリーブオイルを食べるようになって、時々にレストランで食事をすると、油があわなくて胃がおかしくなることが多い。これも以前は気にしていなかったけれど、油はやはり良いものを使うと全然違うのだなあと実感する。

今日子



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