buonitaliaのblog

2004年09月

そろそろ庭のいちじくが終わる頃だが、たくさん余っている時にできるケーキを一つ。

イチジクはジャムにもコンポートにもなるが、これはジャムとコンポートの中間くらいのものを使う。イチジクを砂糖で煮る。中火でこげないよう混ぜながら、柔らかくなるまで煮る。糖分がすごく多い場合は本当に少しでよい。

子供用でなければブランデーを少し入れてもおいしい。そして松の実や砕いたアーモンドをイチジクの半量入れて混ぜ合わせる。

タルト生地を作る。バターと砂糖をクリーム状になるまでよく混ぜる。そこに卵黄を1個入れ、さらに混ぜたら小麦粉とベーキングパウダーを少々入れてさっくりと混ぜ、生地を1時間程休ませる。

タルト型にオーブンシートをしき、生地の3分の2をのばして下に敷き、用意しておいたイチジクを入れてのばす。次に残りの生地を3ミリ程度の厚さにのばしてきしめんのような感じでまっすぐに切る。そして格子状になるようにイチジクの上に細長で平たい生地をのせていき、180度のオーブンで焼く。

食べるとイチジクがチョコレートのように濃厚で、チョコレートにナッツ類があうように、アーモンドや松の実が香ばしくてとてもおいしい。イチジクをオーブンで焼くと、甘くて黒砂糖のようだ。はじの方がよく焼けてこんがりして、真ん中の辺りはイチジクがトロッと柔らかくてよい。

山のようになっていたイチジクは、最後の方は風で木からどんどん落ちて捨てるだけになってしまうのだが、そうならないよう早めにたくさん集めてジャムやケーキにしてしまうと、生のイチジクと違ったおいしさを味わえるのだ。

今日子



ここ2、3日、雨が降って突然気温が下がったので、セーターやコートを慌ててだした。秋になると森の中にキノコが生えるから、よく中を散歩する。夏の間はマムシが多く、怖くて入れない森の中も、マムシが冬眠に入るので安心して散歩できる。

キノコはいろいろな種類がある。もちろん、おいしくて値段もはる「ポルチーニ茸」もある。私は残念ながらキノコの区別がつかないので、知り合いのキノコに詳しい人と一緒に行くことにしている。ポルチーニ茸は味も香りも抜群によく、キノコの王様だ。しかし一つよく似た種類の猛毒のキノコがあるので気をつけなければならない。2年程前にも40年きのこ採りをしているベテランのおじさんが、間違えて亡くなったそうだ。

ポルチーニ以外にもおいしいキノコはいろいろある。去年は舞茸に似たキノコをフライにして食べたり、楽しんだ。

森の中は雨の後なので湿った空気で、独特の葉っぱや土のいいにおいがする。薮の中をあるいていくと、何やらおかしなキノコが生えている。おいしいかおいしくないか定かでないので、近所のベテランキノコおばさんに持って行ってみる(このおばさんは2年前に一人でポルチーニ茸を117本も採ったツワモノだ)。

見た途端、おばさんは「これはおいしくないの。去年説明したでしょ。キノコのかさの裏に輪っかがないのはだめなのよ」と笑われた。・・・、そうだったっけ?と大事に持って来たキノコを捨てることにした。

なにしろ輪っかがどういうものか見たことがないのでピンとこない。ポルチーニ茸もあと1週間くらいしないとでてこないわよ、とおばさんに言われて散歩は終わりにした。結局なにも採れなかった。家に帰って庭を見たら、夏中雨が降らなくて出てこなかった季節外れのアスパラガスが山ほど見つかったので、収穫の喜びは庭で味わうことができた。

今日子



ナポリのサンマルツァーノの原種を扱っている農家では、缶詰にして3年たったものはトマトの味に独特の深みが出ていてよい、と言っているそうだ。実際に、その3年ものの缶詰をおみやげにもらったので、食べてみることにした。

中身は見ただけで市販のサンマルツァーノのトマトの缶詰と違う。濃厚で色も濃いし、何より水分が少なくてぽってりした感じだ。

ソースの作り方はいたってシンプルで、ニンニクとオリーブオイルと塩だけで、強火~中火でさっと煮るだけで良い。これはトマトが良質でないとできないことだ。日本では、トマトソースは一般的にじっくり煮る、という考えが多いかもしれないが、良いトマトを長時間煮ると味も香りもとんでしまい、台無しになる。

そしてパスタを茹でて和えるだけなのだが、本当に、生の原種のサンマルツァーノをソースにしたものとはまた違った味がした。ソースがさらに濃厚になったようで、甘みも酸味もましている。まるで濃縮トマトのチューブのように濃い(もちろん、味はチューブのとは比べ物にならないくらいおいしいが)。トマトも赤ワインと同じように、時間が経つと味が深くなることがよくわかる。

このソースには、普段のトマトソースのパスタに入れる、バジリコやパルメザンチーズは必要がない。かえってトマトソースの味を邪魔してしまうからだ。

うちの息子はトマトソースのパスタは食べ慣れていて、日本人がお米を常食で食べるような感覚でいるが、このトマトソースには目の色を変えて食べていた。食べ終わった後の満足感と充実感は思い出しただけでも幸せな気分になる。

今日子



今日は朝から雨が降りそうなおかしな天気だったので、冬トマトの収穫をした。冬トマトは冬用に乾燥させて食べるトマトで、夏の間一切水をやらないでおく。

すると皮の硬い、オレンジ色のミニトマトができる。今年は夏に雨が降らなかったので、なかなかいい出来だ。とにかく雨を避けなければならないので、天気が変わる前に収穫してしまわなければならない。

雨が多い夏はトマトが割れて腐ってしまう、他の野菜からは考えられない、不思議なトマトだ。収穫したら房ごとにどんどん紐にかけていき、すてきなトマト干しになる。これを何本か作って涼しい場所に2、3ヶ月つるしておく。するとますます中の水分が抜けて、なんだかパサパサした食感になる。生で食べるより、熱を通すと力を発揮する。乾燥したせいで、甘みと酸味が増して少し料理に使っただけでもよい旨味がでるのだ。

このトマトは普通市場にはでまわっていない、農家で昔から種を毎年とっておいて作っているトマトだ。かなり強い品種で、種が畑に落ちたりすると、放っておいても次の年は芽が出てくるし、病気もしないし、乾燥にも強い。

これから冬にかけて生のトマトがおいしくなくなる時期には重宝するトマトなのだ。

今日子



普段買うチーズは、パルメザンチーズ、タレッジョ(北イタリア特有の脂肪分の多い、牛乳でできたチーズ、臭め)、スイスのグリュイエール(中に穴がたくさん空いている)、ペコリーノ(羊のチーズ)、カチョッタ(牛乳)ゴルゴンゾーラ(牛乳で作る、青カビの臭いチーズ)などだ。

これらのをだいたい2、300g買って毎日ちょこちょこ食べる。冷蔵庫の大きめのタッパーに入れておく。これらのチーズがちょっとずつ余った時にいろいろ混ぜてパスタやリゾットを作るととてもおいしいし、便利だ。

今日のお昼はゴルゴンゾーラ、パルメザンチーズ、タレッジョ、カチョッタ(いずれも熱を加えるときれいに溶ける)のパスタを作った。お湯を沸かしてショートパスタを入れ、深めのフライパンにこれらのチーズを適当に入れ、牛乳も半カップ程入れ、パスタを茹でている鍋の上にかけ、その熱でチーズを溶かす。

お湯が吹きこぼれないように、木べらをしいてフライパンをのせておくと良い。

パスタが茹で上がる頃にチーズも溶けているので湯を切ったパスタを和えて出来上がり。パルメザンチーズはおろしたものをパスタを和える時同時に入れる。

チーズ好きにはたまらない、濃厚でワインとよくあうパスタで、お湯を沸かしてパスタを茹でている間にできるという簡単さもいい。クワットロ フォルマッジというのは、4種類のチーズを使うが、モッツァレッラを使ったり、いろいろな溶けるチーズで自分の好きなように作ってみるといろいろ楽しめる。

今日子



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