buonitaliaのblog

2018年01月

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パンペパート作ってます。

去年久しぶりに作ったらご好評でした。

16世紀から作られている郷土菓子です。
レシピを本に載せたけど、材料を集める段階で
皆挫折してしまうみたいです。

ナッツが何種類も、はちみつやチョコレート、
手作りピールや干しブドウ、胡椒、シナモン、
ナツメグ、エスプレッソやリキュール、ブドウを
煮たシロップのモストコットなどなど、ほんとに
いろんな材料が入っています。

チョコレートは加熱せずに手で削るので、
それだけでも2日近くかかります。
よくこんなお菓子思いついたなと、作る度に
イタリア人の発想に驚かされます。食べ物の
本質を捉え、流行や見た目に惑わされず、
伝統を守るすごさはずば抜けているなと日々感心。
見た目は泥団子だけど、切ると美しい断面が
見えます。玄人向けのインスタ映えと
言われて納得(笑)

食べた人は癖になる摩のお菓子。週末から
店頭に並びます。クリスマス菓子だけど、
バレンタインにもどうかしら。皆さまお楽しみに!

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今日は以前料理教室に通っていらした方とお料理をしました。
お孫さんに鶏肉の猟師風を作ったらパクパク食べてくれたそうです。
うれしいことです。子供の好きなイタリア料理だったらまかしといて!
よく息子の友人が遊びに来て、Kyoko、今日夕飯食べていく~、Kyoko、
今日泊まっていく~っていう子育ての頃を思い出しました。もちろん
息子もお友達の家で同じようにしてもらっていました。頼む時の、
いいよって言ってくれるかなって顔がみんなそれぞれかわいくて面白かったな。

肉団子のパスタ。子供も大好きだけど、大人も大好きです。
子牛肉がないので、豚ひき肉で作ります。
コツ① 豚ひき肉は塩、胡椒、牛乳に浸したパン、パルメザンチーズを
        入れて混ぜます。玉ねぎや卵はなし。そしてあんまり必死で混ぜずに
        肉の食感を残します。
  ② 小さく丸めて、子供の口に入りやすいようにします。その方が
        ショートパスタともよく絡みます。
  ③ トマトソースは先に作ります。オリーブオイル、にんにく、セロリ、
    にんじんを入れて炒めます。トマトはパッサートという瓶詰のトマトに
    生の皮をむいたトマト(大)1個を加えます。こうすると、瓶詰だけより
        味わいがでます。夏は全部生のトマトで作るとよいです。
  ④ 塩をして水分が煮詰まってきたら(20分くらい中火で煮る)、にんにくを
        取り除き、肉団子を生のまま入れて煮ます。よく揚げてからトマトソースで
        煮るレシピがあるけど、あれは猛烈に油っこくなります。イタリア料理は
        油の使い方が非常に粋で、カトリーヌ ド メディチが思い浮かびます。

蓋をして1時間弱、弱火で煮ます。トマトが煮詰まってきたら
出来上がりです。蓋の開け閉めで水分を調節してください。
これにショートパスタを和えて、パルメザンチーズをかけたら
出来上がりです。おじいさまにご飯を作っていただけるなんて、
幸せなお孫さんです。(おじい様には全然見えない方です)喜んで
いただけるといいな♪


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今日は大根、にんじん、カブ、キャベツ、トマトを煮ました。
適当な大きさに切って、オリーブオイルと塩を入れて蓋をし、
ごく弱火でじわじわと加熱します。すると野菜から煮汁が
でてきます。オリーブオイルはビニールも通すほど粒子が細かく、
野菜に浸透して野菜のうまみを引き出してくれます。
そこに時々水を足してさらに煮るだけです。水分は最終的に
ひたひたになるくらい。スープと言うか、野菜の煮物みたいな
感覚です。いつもの大根が全く違う味でびっくり。


この野菜からでた水分は胃腸の調子を整え、体を休めたり
温めたりしてくれます。先日いらしたお客さんは、2カ月
この料理を毎日食べていたら、医者に赤ちゃんのように
きれいな胃をしていますと言われたそうです。
野菜はなんでもよいし、私は特にイタリア料理として
意識しているわけではなく、長く暮らした中で、西洋の
料理として最も食生活に取り入れている調理法です。


スープの歴史を調べると、西洋の人はずいぶん昔から
この方法でスープを作って食べてきたようです。これに穀物や
豆類が入っていても美味。
東洋の汁もの文化や野菜の煮ものとはまったく異なります。
出汁があると、野菜の灰汁をとって出汁の味を含ませることが
大事になります。1879年にアメリカ人が長崎に滞在した時、
皆概ね食事に満足したけれど、その内の一人は7種類もの
スープが出て困惑したと記述があります。スープが7種類と
あるけど、飲み物としての汁ものと煮物、食べる順番も含めて、
西洋のスープとは立ち位置が非常に異なります。


イタリアでは今でも具だくさんの様々なミネストローネを普通に
家庭で日常的に食べています。日本にしばらくいたら、近頃野菜の
切り方が整ってきて、おおざっぱに切れなくなってきました。
どうした自分、と驚きます。形も適当の方がおいしくできます。
作って2,3日同じものを食べているとどんどんおいしくなって
飽きないし、楽だし実は忙しい人にもぴったりです。



先日お客様から鹿肉をいただきました。ご実家の山梨からだそうで、いつもありがとうございます。
ウンブリアに住む前は、肉は3種類でオッケーだった私。 かの地ではヤギ、羊はもちろん、うさぎ、七面鳥、キジ、ホロホロ鳥、イノシシ、鹿、馬、ロバ、果てはヤマアラシまで食べます。
そこにあるものを食べるのが食の基本。

 

この度も、自分らしく、漁師風にしてみましょう。中部地方風です。イノシシ狩りの得意な方に教わった料理を鹿で代用。まず小さめの一口大に切って鍋に入れ、蓋をして弱火で蒸し煮にします。
水分が出たら、汁は全部捨てます。肉汁信仰の強い日本では考え難い調理法です。

ジビエ料理の臭みを取るための下処理で、肉は口の中でとろけなくていいんだな、と理解します。

 

キャセロールにオリーブオイルをたっぷり入れ、ニンニクを炒めます。香草は欠かせません。

よく使うのはジュニパ―ベリー。 鹿が生息する野によく生えていて、鹿肉とよく合います。 

あとは、セロリ、ニンジンを適当に切って、玉ねぎは甘くなりすぎるので、丸ごと入れて後で取り出します。
好みで玉ねぎにクローブを刺してあります。 粒コショウ少々と月桂樹も。 

そこにさっきの肉を入れてオイルを絡め、ワインビネガーをまわしかけます(上品にしたい場合はどっしり系赤ワインを)。塩をしてレモンの皮を入れ、蓋をして弱火で2時間以上煮込みます。 

長時間火を入れると、一度硬くなった肉の繊維がほぐれて柔らかくなります。
最後に皮をむいた生のトマトを刻んでサラーっと入れ、一煮立ちしたら出来上がり!
普通トマトは赤ワインを入れた後一緒に煮込みます。
最後に入れるとトマトの爽やかさがプラスされます。 どちらでも
good.

 

寒いこの季節にぴったりのポレンタにかけて食べましょう。ポレンタはとうもろこしの粉を煮た料理です。
ポレンタ専用の丸い木の板にのせて上に肉をかけて食べます。(縁に溝があり、ソースが流れ出ないようになってます。)

パサパサしがちな鹿肉や猪肉は、小さめに切ることで、ソースとポレンタが助けてくれます。

下処理と香草たっぷりで、独特の臭みが香りに変わります。 ポカポカあったまります!IMG_09851

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揚げ物大好き。パン粉にするパンは、粉と水と酵母だけのイギリスパンを丸ごと。
買ったら、ビニールの袋を空けっぱなしのまま、
3日程放置します。4等分にすると手で
持ちやいすいです。おろすのに
1時間弱。手がちょっと痛いです。まだ終わっていません。
バットに入れて、
3日くらい放置し、カラカラに乾かします。今の時期は空気が乾燥して
よく乾きます。時々かき混ぜて、まんべんなく空気に触れるようにします。パンは、よく乾かすと
カビが生えません。梅雨時は難しいかな。完成に
1週間。ジップロックにいれて冷蔵庫で一カ月
置いても大丈夫。量が多い時は冷凍庫へ。朝使う分だけバットに入れて乾かすと、夜には
サラサラしています。

 

イタリアは、パン屋さんで売れ残った硬いパンを機械で粉末状にします。炒ってあるし、気候も
手伝ってカビが生えないから常温保存。保存料も不使用。この香ばしいパン粉、イタリア料理には
欠かせません。ミラノ風カツレツなどは、揚げ油にバターを足して衣をしっとりさせます。
衣はサクッとしていないと許せません、という日本の常識はくつがえされます。
衣にバターが染みていて、薄くしたあっさり子牛肉とよく合います。

 

でも時々は日本のとんかつが懐かしくなるので、自分でイギリスパンを焼き、パン粉を作って

おりました。そこまでする!?ってよく呆れられましたが、お土産にパン粉を頼むイタリア在住の
日本人をよくみかけました。そのくらい、パン粉ってその国のパンの個性が出ていて面白いのです。

市販されている日本のパン粉は、さっくり感を追求するあまり、おいしくない油分を使い過ぎて、
パンとしてはまずくて食べられないと知り合いのシェフに聞いたことがあります。なるほど。
妙に納得。なので、せっせとパン粉を作ります。一回作れば、しばらくずっと使えます。

 

揚げ油はもちろんブオーノイタリアのオリーブオイルです。ここでまたアホ!と
つっこまれそうですが、一度食べたらやみつきです。(前年度のオイルで十分です)
肉を揚げると油の劣化も早いけど、野菜やコロッケなどは
23回使えます。
オリーブオイルがふんわり香り、味わいがありつつ衣が羽のように軽い。
がんばって作ったパン粉と、最高の油で揚げたコロッケ、食べたらみんな幸せです。
たかがコロッケ、されどコロッケ。私にとってはごちそうです。お腹一杯食べても
胃もたれしません。 
良い調味料とおいしい野菜、丁寧に作った料理が日々の活力です。さあ今年も頑張るぞー!





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良い調味料とおいしい野菜、丁寧に作った料理が日々の活力です。さあ今年も頑張るぞー!

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