img560
時々イタリアで料理を習うなら、家庭料理を一般家庭で
教えてもらった方がよいですか、と聞かれます。
難しい質問です。

レストランや料理学校で習うのはもちろんとても勉強になると
思います。それとは別に、イタリア人はマンマの家庭料理が
大好きです。暮らしの中で生まれる料理には、人々の
思いがたくさん詰まっています。

全然直接的なアドバイスにはならないのですが、この映画は
20年前にシルヴィオに絶対見た方がよいと勧めらました。
それから料理するときもイタリアのことを考えるときもふと思い出す
映画です。日本タイトルは「木靴の樹」(エルマンノ オルミ監督作)。

祈るしか術のない農家の人々の厳しい生活、宗教、大地主、
色んな要素が暮らしていたウンブリアの村や都会の友人たちと
つながってきます。*屠殺の場面があります。

この人の料理を知りたい、と思う人が何人もいました。そばにいて
一緒に料理しておしゃべりして、食べて片づけて、畑に行ったり
家畜の世話をしたり、お買い物に一緒に行ってテーブルクロスを
選んでもらったり。
イタリアに限らず、フランスをはじめとするヨーロッパ各国、アメリカや
南米、その人たちの親戚や友人、様々な人と接して、食はその人
そのものだなと実感します。
歴史や宗教、修道院の食なども面白いと思います。

料理教室のお問い合わせがよくあり、またやろうかなと思いつつ、
店の仕事との両立が難しくて迷っております。もし再開できたら
よろしくでございます!