今日から狩猟解禁である。朝5時くらいから家の近くでバンバン音がする。この辺りは野ウサギやキジ、野鳥などがいる。もう少し奥に行くとイノシシ狩りが盛んで、グループを組んで猟犬を連れて行く。

去年も血だらけのイノシシが6頭トラックに積み込まれているのをみてガーン!と思った。獣医の所に行くとイノシシの牙で大きな傷を負った猟犬をよく見る。

ウンブリアではとにかく肉を沢山食べる。農家の人は鶏、七面鳥、鳩、ヤギ、羊、アヒル、豚、などいろいろな動物を飼っていて、日曜日の朝に散歩していると、暖炉の火でお肉を焼いている匂いがあちこちでしてくる。

鶏は足までトマトソースで煮て食べるし、内臓、血なども全て調理してしまう。

冬になると豚をどこの家も一斉に殺して、ソーセージ、生ハム、ベーコンなどを作り、ロースの部分を暖炉で焼いて食べる。脂肪分の多い豚肉でも寒さで腐りにくいので、凍りつくように寒い中で作業をする。

夏はローマでは豚肉は胃に重いと言って食べなくなる。日本でスタミナをつけようとうなぎや豚肉を食べる考え方とまったく正反対だ。お店からなくなることも多い。

ウンブリアはローマより涼しいのと、豚肉の産地なので夏でもよく食べるが、スーパーの豚肉と比べてこんなに違うのかと、びっくりするほどおいしい。

なぜこんなにおいしいかというと、この辺りの豚はどんぐりをたくさん食べるからである。一面樫の木なので大量にどんぐりが落ちている。そのどんぐりを農家の人は手でバケツいっぱい拾って豚に食べさせるのである。飼料を食べるのとはわけが違う。

各家庭、料理方はいたってシンプルな炭火焼だが、肉の味が決め手になる。ソースで肉の味があまりわからなくなってしまうということもない。