今日近所の知り合いが来て、はいこれ、とビニールの袋を渡された。なんだろうと思って中を見てみると、なにやら顔のようなものが見える。電気をつけてよくみると、皮をはがれたウサギだった。しかも丸まんまで頭もついているのでついギエッと言ってしまった。

ウサギはこのあたりではよく食べるのだが、私は肉はオーソドックスな牛、豚、鶏以外苦手なので、正直言ってあまりうれしくない。夫と子供は食べるので、もらったからには料理しなければならない。

友人は、このウサギは飼料をまったくやらないでワラを食べてそだったから、ちょっと繊維が多いけどおいしいわよ、ととても親切だ。たしかに飼料を食べていないウサギは独特の匂いもしないし、鶏肉のような感じだ。

一番おいしいのは暖炉で炭で焼く方法だろうか。やわらかく香ばしく焼ける。しかし丸まんまで両手足をピンと伸ばした状態で炭の上をグルグルまわっていると、まるで猫の丸焼きのようだ。

他に骨ごとぶつ切りにして、オリーブオイルとニンニク、ローズマリーとオリーブの実を一緒に炒め、ワインビネガーを入れて1時間ほど煮た、カッチャトーレ(狩人風)が有名だ。フランス料理のようにいろいろなソースを使った食べ方もレストランではするが、家庭ではあとはから揚げにするくらいだろうか。

今は狩の季節なので、野ウサギなどもご馳走なようだ。しかし食べ物として見る肉と、動物として見る肉では本当にえらい違いがある。牛や豚を精製しているのを見るのは慣れたが(最初はいやだった)、自分が食用だと思っていない動物を見るとやはり躊躇してしまう。慣れの問題だろうか。

アフリカでは野ねずみをご馳走としているそうだが、やはりねずみを食べるなんてちょっとごめんである。ねずみはウサギの肉とにているそうだ。反対にオーストラリアではウサギはねずみのように思われていて、ウサギの肉を食べるなんて!とみんないやがるそうだ。場所が変わると正反対になるのが興味深い。

今日子