土曜日からローマに来ている。ローマのレストランでビステッカ・フィオレンティーナを食べた。フィレンツェの近辺で有名な、キアニーネという種類の牛のステーキだ。

キアニーネは白い牛で気が荒いが、肉質がとてもやわらかくてイタリアではとても有名な牛だ。キアニーネと言っても他の種類の牛と混ざっていて純粋のキアニーネは少ないと言われている。

私の食べたのが本物のキアニーネかどうかはさだかではないが、炭火焼のステーキはまず量に圧倒される。厚みも3センチはあり、1人500グラムはある。パスタや前菜を食べた後この500グラムを食べられる日本人はなかなか少ないだろう。普通2人でステーキ一つを注文すると、一塊を2つに切って出してくる。間違って1人で1つ注文したら大変だ(もちろんウエイトレスも間違えないように言ってくれるだろうが)。

日本の牛肉と違い脂肪分がなく、カロリーも霜降り肉の半分と言われている。西洋人は日本の霜降り肉をおいしいという人もいるが、脂っこくて食べられないという人もよくいる(しかし私は霜降り肉がやっぱり好きなのだが)。

量が多すぎて食べられない場合はお持ち帰りにしてもらうとよい。

しかしローマのレストランで最近食事をしても、どうもたいして美味しいと思わなくなってしまった。美味しくないレストランに行ったのだろうと思われるかもしれないが、このレストランはおいしいよ、と地元の人に有名なところでも、そうでもない。

やはりローマやフィレンツェのように観光の街では家賃も高く、コストを下げるようにしている所がほとんどだろう。阿佐ヶ谷の店で売っているような良質のオリーブオイルを使っているところなど、まずない。自信を持ってこのオリーブオイルはどこよりもおいしいと言える。いろいろな所で食べるたびに、内心うちの店はレベルが高いとホッとするのである。

今日子