だんだん春が近づいてきたようだ。ここのところオリーブの木の剪定も行われ、オリーブ畑のあちこちで声がする。この切ったオリーブの枝は、パスクワ(復活祭)に毎年教会で使うのだ。枝を燃やすと油を含んでいるのがよくわかる。バチバチと音をたてて油特有の匂いと煙をだす。

そしてもう一つの春の訪れは、野生のアスパラガスが芽を出し始めたことだ。野生のアスパラガスは、その名の通り藪の中に自生している、ほろ苦くてかすかに甘味のあるものだ。見た目は普通のアスパラよりずっと細く、ヒョロッとしてつくしのようだ。色は深い緑か、赤紫いろと深緑のまじったような色だ。

このアスパラは周りにトゲトゲの葉があり、刺さると痛い。そしてこの時期になるとちょうど冬眠からさめるマムシがいるので、藪の中では気をつけなければならない。

近所の人は皆それぞれ自分のないしょの場所があり、あまり人に教えたがらない。そして雨が降った後にニョッキリでてくるアスパラを目指して、朝早くから出かけるのだ。年金生活の夫婦などは丸1日かけてたくさん採ってくる。

野生のアスパラを食べると、普通のアスパラの味が水っぽく感じるほど、濃い。あまり濃いので、食べ方もパスタや卵と一緒に食べる。

この時期から7月にかけて、雨の降る回数にもよるが、4ヶ月は楽しめる野菜だ。食べ方はその都度紹介していきたいと思う。これからたくさん春の野菜がでてくると思うとワクワクする。

今日子