昨日イタリアの我が家に帰り着いた。すっかり夏になって庭には花が咲き乱れ、まわりの麦畑は穂が金色になり、もう収穫してしまったところもあるくらいだ。

6月24日はクルミのリキュールを作る日と決まっているので、さっそく近所のおばちゃんと一緒に作ってみた。なぜ24日かというと、クルミがまだ熟していない緑で柔らかい状態のものを使うからだそうだ。この日を過ぎてしまうと、固くなって包丁で殻ごときることができないという(1日くらいのびても変わらないと思うが)。リモンチェッロだったらいつでも好きな時にできるけど、これは季節感があるでしょ、という。

作り方は、クルミ10個を殻ごと4つに切り、95度のアルコールを1リットル、砂糖800g(好みで甘くする)を水1リットルで溶かしたもの、シナモン(粉末でないもの)を25g、クローブを10本、レモンの皮1個分を一緒に混ぜて蓋をしておく。3ヶ月たてば出来上がりだ。

アクがとても強いので、できあがるとエスプレッソのような濃い色になっている。一般的には食後酒として消化を助けるために飲むものだがが、とても香ばしくて甘いので、お菓子作りにも使ったりする。ケーキにかけたり、クッキーに混ぜたり、私がよく使うのは、パンペパートというクリスマスのチョコレート菓子に一緒にいれたりするものだ。

田舎にいると、ローマに住んでいた頃まったく知らなかった食べ物にまつわる伝統を知ることができて、本当に興味深い。

しかしクルミのリキュールを教えてくれたおばさんも、娘はまったく料理に興味がないので私の代でおしまいね、と言う。そうか、それは残念だ。それなら日本人の私が受け継ごうかなと言うと、それはそれですごくおもしろいわ、と笑っていた。

今日子