今日は夜の9時からおいしいと評判の近所のパン屋さんに見学に行ってきた。ローマからウンブリアに引っ越す時、なじみのパン屋さんに、「よかったね、ウンブリアはパンがおいしいんだよ!」と言われたのを覚えている。

トスカーナの塩なしパンが有名だが、実はウンブリアの塩なしパンはもっとおいしいと言われているのだ。ずっと気になっていたおいしいパンの謎が今日解けたので、感激だった。

見学してまず驚いたのが、薄力粉を使っていることだった。パンなのに、薄力粉だ。そして、表面をバリバリにさせるために天然酵母を使うこと。天然酵母を使うと表面がバリバリして、イタリア人の好きなパンになる。

この天然酵母はただ単に小麦粉と水をまぜて、暖かいところに一日置いただけのものである。それプラス、市販のビール酵母を入れる。こうすることで発酵を助けるという。

もう一つ驚いたのは、作っているおじさんが小麦粉と水、酵母の分量をほとんど全部目分量でやっていることだ。普通日本人が何か作る場合、きちんと何グラムか計って作る。それがこのおじさんは、「二袋小麦粉を入れたから、水はだいたいバケツ5、6杯」、あとは見た目で水が足りないかどうか見て決めているのだそう。

小麦粉が精製されたばかりだと、水分が多いので水は少なめ、古くなるにつれて乾燥するので、あとは目で見て多めに入れるという。生地を触りもしないのだ。計りを使わないのは、もう20年この仕事をしているから、目で見てわかるのだそうだ。

そうやって、おじさんと若いアシスタントはあ、うんの呼吸でどんどんパンを作っていく。本当に見ていて気持ちがいい程リズムが良い。

発酵は1時間でおわり、きれいにふくらんだパンをガスのオーブンで焼いていた。

薪のオーブンで焼くパンは午前2時から焼くと言うことで、残念だがまたの機会にみることにした。

彼らは夜九時から仕事を始め、朝6時から7時に終わり、寝に帰るそうだ。20年このやはりパンの仕事は時間が他の人の生活と違うので、他人との生活のズレを調整するのは大変だろう。次回はここで見たフォカッチャの焼き方を紹介したい。

今日子