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今日は大根、にんじん、カブ、キャベツ、トマトを煮ました。
適当な大きさに切って、オリーブオイルと塩を入れて蓋をし、
ごく弱火でじわじわと加熱します。すると野菜から煮汁が
でてきます。オリーブオイルはビニールも通すほど粒子が細かく、
野菜に浸透して野菜のうまみを引き出してくれます。
そこに時々水を足してさらに煮るだけです。水分は最終的に
ひたひたになるくらい。スープと言うか、野菜の煮物みたいな
感覚です。いつもの大根が全く違う味でびっくり。


この野菜からでた水分は胃腸の調子を整え、体を休めたり
温めたりしてくれます。先日いらしたお客さんは、2カ月
この料理を毎日食べていたら、医者に赤ちゃんのように
きれいな胃をしていますと言われたそうです。
野菜はなんでもよいし、私は特にイタリア料理として
意識しているわけではなく、長く暮らした中で、西洋の
料理として最も食生活に取り入れている調理法です。


スープの歴史を調べると、西洋の人はずいぶん昔から
この方法でスープを作って食べてきたようです。これに穀物や
豆類が入っていても美味。
東洋の汁もの文化や野菜の煮ものとはまったく異なります。
出汁があると、野菜の灰汁をとって出汁の味を含ませることが
大事になります。1879年にアメリカ人が長崎に滞在した時、
皆概ね食事に満足したけれど、その内の一人は7種類もの
スープが出て困惑したと記述があります。スープが7種類と
あるけど、飲み物としての汁ものと煮物、食べる順番も含めて、
西洋のスープとは立ち位置が非常に異なります。


イタリアでは今でも具だくさんの様々なミネストローネを普通に
家庭で日常的に食べています。日本にしばらくいたら、近頃野菜の
切り方が整ってきて、おおざっぱに切れなくなってきました。
どうした自分、と驚きます。形も適当の方がおいしくできます。
作って2,3日同じものを食べているとどんどんおいしくなって
飽きないし、楽だし実は忙しい人にもぴったりです。