buonitaliaのblog

ローマ料理に、牛のスネ肉のぶつ切りとジャガイモの煮こみ料理がある。日本の肉じゃがのイタリア風といったところか。

ニンニクと玉ねぎを細切りか微塵切りにしたものをゆっくりオリーブオイルで炒め、牛スネ肉を1口大に切ったもの(塩をまぶしたもの)とジャガイモを1口大に切ったものを強火で炒める。そこに赤ワインをカップ1杯、ミニトマト4、5個を入れ、弱火で2時間コトコト煮こむ。水分が少なければ少し水を足しても良い。

月桂樹の葉を2枚入れるととても良い香りがする。2時間煮こむとスネ肉もやわらかくなり、ジャガイモもくずれかけるほどやわらかく、とてもおいしい。

ビーフシチューと違い、家庭風のとてもやさしい味がするので子供も大好きだ。簡単だし、別にあれこれ気を使って技を披露することもない、素朴でホッとする味だ。ちょうど日本人が味の染みた肉じゃがを食べてホッとするのと同じことのように思う。肉じゃがと同じで、1日置くともっと味が染みておいしい。

今日子



ここ1年、夫の血圧が高かったので塩分控えめのダイエットをしていた。

例えばトマトのソースに、いつも小匙1杯大盛りで入れていた塩を、まったく入れないで食べることにしてみた。そうすると、最初塩が足りない!と思ったのが、今ではそれが普通になった。もちろん、トマトがおいしくなければ塩なしではちょっとつらい。塩を少なくすると、食べ物の味がよくわかるようになる。

レストランなどはお客にインパクトを与えるために、塩の量をもっと多くしてある。塩がたくさん入っていると、素材の味がなくても味が濃いような錯覚に陥る。

イタリアの1800年代にいた最高の料理人”アルトゥージ”は、古代ローマの頃からのイタリアの料理の歴史について調べて本を書いた、今でも料理界で語り継がれている有名な人物だ。

彼は料理についていろいろな名言を残しているが、そのなかでも塩について、「塩は素材のNemici(ネミーチ・友達の反対の意味)だ。」と書いている。

塩はドラッグと一緒で、慣れてしまうとないと物足りなくなってしまう。イタリアの最近の調査では、皆1日にだいたい小匙1杯半分は塩を余分にとっているそうだ。

私は夫と反対で血圧が低いので、塩分をとった方が良いと思っていたが、塩分で血圧を急に上げることはあまりよくないそうで、適度な運動とバランスのとれた食事で管理することが大事なのだそうだ。

今日子



今日からウンブリアのクリスマス菓子、パンペパートに入れるオレンジピールを作り始めた。

パンペパートはチョコレートとコショウ、クルミ、ヘーゼルナッツ、松の実、はちみつ、カカオ、オレンジピール、レーズン、などを一緒に混ぜてオーブンで焼いたものだ。すべてウンブリアの特産のものが入っている。もちろんチョコレートもウンブリアの特産である。ウンブリアはバチチョコなどイタリアでも有名なチョコレートをたくさん送り出している。

最近作られたヨーロッパ統合諸国のチョコレートの規定では、カカオ以外の脂肪分を入れても良いということになったが、それではチョコレートの品質が下がると、イタリアは反対してこの規定をのまなかったのだ。したがってイタリアのチョコレートは以前と変わらずおいしい味が保たれているのだ。

このパンペパートに入れるピールは、普通みんな買うのだが、売っているものはオレンジの香りがほとんどしなく、砂糖のかたまりでおいしくない。私は10kg以上のオレンジをシチリアのオーガニックの農家から買っている。中身はジャムにしたりジュースにし、皮は1週間かけて煮こみ、あともう1週間で乾燥させる。

ピールが出来たら他の材料も混ぜ合わせる。チョコレートは溶かしてから混ぜる人が多いが、(その方が楽だから)そうすると2度熱を通すことになり味が損なわれるので、全部削り落として、粉の状態にして混ぜる(この作業が大変)。コショウがピリッと効いた、いろんな味のするパンペーパトは、クリスマスの時期に是非お勧めだ。

BUON'ITALIAの店には、12月初旬にはこの手作りパンペパートが届く予定だ。

今日子



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