昨日のニュースでは、ミスタードーナツのポタージュスープに虫が見つかったとあった。アスパラの先端についている虫だそうだ。
これを読んで私もこの虫はよく知っている!と思った。買ってきたアスパラを洗ってリゾットにしたのだが、さあできた、食べようと思ってよく見ると、リゾットの中に細い線のような点々がある。
それもたくさん入っている。本当によく見ないと気がつかないのだが、虫だった。せっかく出来たアツアツのリゾットを全部捨てる羽目になった。
その虫はよくアスパラの先端の中の方に入りこんでいて、洗っても洗ってもでてくる。収穫の時期によって虫がつくことがあるそうで、それがあってから店でアスパラを買うのはやめてしまった。家でアスパラの根を植えて、生えてきたらすぐに採って食べる。
たぶん薬をたくさん撒いたら虫もつかないだろうが、それもちょっと困る。先端を食べないようにする意見もあるそうだが、それではアスパラの一番のおいしい所を捨てることになる。
他にもイタリアで食品に虫がついていたことは数えきれないほどある。サラダなどはレストランでも虫が入っていることもあるし(あまりよく洗わないらしい)、唐辛子を市場で買って中を開けると、フワーッとたくさんの蛾が飛び出したとか、小麦粉をふるいにかけたら中から虫がザックザクなどなど。
他に気をつけなければならないのは、ポルチーニ茸だ。ごちそうなのに、せっかく買ってきたのを全部捨てたことがある。しょっ中うじ虫のようなのがたくさんついている。
結婚式ででたポルチーニ茸の手打ちパスタをじーっと見ていると、うじ虫がたくさん入っていた。まわりを見ると皆気がつかないで食べている。この場で虫が入っていると言って場を盛り下げてはいけないと思い、なんで食べないのかと聞かれても言葉を濁した。
後で2、3人に言ったら皆食べてしまったようで、恨めしそうな目で見られた。最後まで言わない方がよかったようだ。
日本にいるときは食品に虫がついていることなど滅多になかったが、やはりイタリアではしょっ中ある。あまり農薬を使ってない証拠かもしれないが、食品によっては私は必ず気をつけるようにしている。みなさんもイタリアに行った時はこれらの食品にはご注意です。
今日子
カブの味
9月に植えた冬野菜は、12月の日本帰国中に収穫の時期を迎えた。捨ててしまうのは残念だからドッグシッターの人に勝手にとって食べてね、と言っておいた。
サラダやウイキョウ、ブロッコリーにキャベツなどは帰ってきたらなくなっていた。残ったのはカリフラワー、黄緑色のカリフラワー、菜の花、カブであった。
その中でカブは、帰国中にテレビでカブ畑を見て私のカブ畑とあまりに違うので驚いた。ズラーッとまっすぐ1mmの狂いもなく見事にならんだカブ。半分だけ土からでている色も形もまったく同じのきれいなカブ。雑草1本生えていない畑。
私のは雑草のようにゴチャゴチャでなにがなんだかわからない。形もデコボコで、大きいのやら楕円形でカブの形をしていないものやら。丁寧に間引きしなかったのでとなりとくっつき過ぎでできなかったものもある。
しかし、いつもこちらで作っているように、日本のカブでパイを作ってみてあれ?と思った。水っぽくて味が全然しないのだ。うちのカブはもっと味がこくて甘味もあって、ニンニクとオリーブオイルと塩で柔らかく炒めただけでものすごくおいしいのに。
同じように大根も水っぽくて香りも味もしないように思えた。大根は種を日本で買ってきて植えたのだが、何回試してもうまくいかなくてやめてしまった。形の悪い小さい大根しか出来なかったが、味は抜群で、2、3年前のことながら、今でも忘れられない味になっている(イタリアでは大根はアジア食品店などでしか売られていない、カブもほとんど食べないものである)。
きっと東京で生活していたらこの水っぽさに気がつかないで、こんなものだろう、と思っていたに違いない。
今日子
字
東京に1ヶ月いて、街にイタリア語があふれていて驚いた。
夫がいちいちみつけては大笑いするのである。字が間違っていたり、意味不明のものが多いからだ。特にマンションの名前に使ってあるイタリア語は、軒並み面白いのが見つかった。
立川のあたりで「PISELLO」(ピゼッロ)という立派なマンションがあった。何をかくそう、ピゼッロとは「チンチン」という意味である。たぶん複数形でPISELLI(ピゼッリ)だとグリーンピースという意味になるので、きっとサヤをあけた時のグリーンピースの粒がつらなっているような、たくさん人が住んでいるマンションというイメージでつけたのではなかろうか。
それにしても、こんな大きな間違いは気の毒だ。夫ばかりか息子まで、ねえ、なんでチンチンなの?とゲラゲラ笑っていた。
他にも「CASA CAPITALE」(カーザ カピターレ)。これは首都の家という意味もあるが、もうひとつ金持ちの家という意味もある。僕は金持ちの家に住んでいるんだ、と言えばかなりイヤらしい感じがする。
他にも某会社の缶詰のスープに「MINESTORONE」(ミネストローネ)と書いてあった。「MINESTRONE」の間違いである。こんな間違いを堂々と商品化するのだ。どこかでイタリア人に確認してもらうとかすればよかったのに・・・。
雑誌にもイタリア特集がたくさんでているが、本当にたくさん間違いがある。最近はイタリアでも漢字ブームで、若い人が刺青に漢字を彫っていたり、Tシャツに漢字が書いてあったりするけれど、これも意味不明なものが多い。
よく意味を聞かれるので、意味はないの、と答えることにしている(今ちょっと例が思い浮かばなくて残念)。
ここ2年ほどは、中国人が街中でイタリア人の名前を漢字で書くという商売をしているのを見かける。ジュリアという名前に、漢字でなんでもいいから「樹離亜」などとつけて適当に意味を考えてあげるとみんな喜ぶのである。そうか、こんなことまで商売になるのかと感心してしまった。
今日子