buonitaliaのblog

きのうとった鶏のダシで、今日はリゾットを作ることにした。野菜のリゾットがいいかなと畑に行ってみると、ラディッキオという紫のレタスのような野菜が2つあった。ラディッキオは日本名でチコリ、キクニガナという名前で苦味のある野菜だ。

サラダにしてもよく食べるが、しんなり炒めて肉の付け合せにしたり、オーブンでグリルにしたりする。ラディッキオには2種類あり、トレヴィーゾ産の茎がそのままたくさん伸びたようなものが重宝される。苦味が強くて香りも高い。しかし栽培が大変で、気候も大きく影響する。

私のうちではもうひとつの種類の丸い形をしたレタスっぽいものを作っている。

これを洗ってザク切りにする。鍋に玉ねぎのみじん切りを、フタをして30分以上弱火で炒めておく。リゾットに玉ねぎは重要だ。そこに米を入れて、熱くなったところで白ワインをジャッと蒸発するように入れる(ワインは多めに入れた方がおいしい)。かくし味にアンチョビを2、3切れ入れると、ラディッキオの苦味とまじって複雑な味わいになる。

そしてラディッキオも入れ、少しずつダシを入れながらグルグルと木ベラでかきまわす。ダシが多すぎてダボダボにならないようにするのと、絶えずゆっくりかきまわすのが重要だ(回す方向を一定にしなければならないと言う人までいる)。

20分から25分混ぜたら最後にパルメザンチーズとバターをひとかけ入れ、混ぜてできあがり。最後の方で生クリームを入れる人もいる。クリーミィでおいしいが、うちではダイエットのため入れない。

リゾットは日本版おじやのような感じでホッとする。アツアツでドロリとしているが、米がアルデンテで硬めなのがおもしろい。白いご飯を茶碗に一杯食べるのと、リゾットをお皿に1杯食べるのでは、白いご飯の方が米の量が多くなるのだ。リゾットの米はたくさん水分をすっているので、量が多くみえるのだ。たくさん食べたような満足感があり、そのじつあまり分量がないのでダイエットにはとても良いのだ。野菜もたくさんとれるし、ぜひお勧めだ。

今日子



そろそろ鶏が卵をたくさん産む時期になってきた。12月と1月が一番少なく、2月から3月の復活祭にかけて毎日たくさん卵を産むのだ。

ちょうどいつもにわとりを買っている農家に一羽殺したて(すごい表現・・・)をもらったので、さばくことにした。

うちは丸焼きにしても2人と小さい子供には多すぎるので、さばき方を練習してももや胸肉を分けて使うことにしている。鶏を1羽さばくのはなかなかむずかしくて、最初はうまくいかなかったが、最近はなかなかコツを得ているなと自分でも思う。

間接の部分を手で折れば包丁で骨を切らなくてすむし、あとは骨にそって切り離していけばよい。こまったのは、全部肉をはずし終わったあとの骨だ。ここにはたくさんおいしい肉がこびりついているが生だとうまくとれない。

農家の人々は首や足も全部食べてしまい、残るのは骨だけだ。そう思うと捨てるのはもったいないので、スープを作ることにした。

料理の本によると、骨でとったダシは味がよく出るが栄養分は少ない。変わりに肉でとったものはスープに肉の栄養がでて滋養によいという。

私のには骨も肉もついているのでさぞおいしくなるだろうと楽しみになった。水でガラをよく洗い、セロリやにんじん、トマトや月桂樹の葉などを入れて煮始める。最初にでたアクだけきれいに除き、あとはアクがでてもとらない。この中にうまみが全部入っているからだ。塩も最初に入れてしまう。

4時間ほど煮たらあとは一晩寒いところにおいておく。そして次の日の朝表面に固まった脂肪分をとってしまう。こうすると鶏の臭みやしつこさがなくなるのだ。月桂樹の葉などは2枚はいれたほうがよい。そうしないと臭みが気になるのだ。他にセージの葉の乾燥したものもあう。

このスープはそのまま飲んでもよいし、リゾットに使ったりもする。今日はスープにポロねぎをたくさん入れてさらに1時間煮こみ、ねぎのスープを作った。中に余っていた手打ちパスタのフェットチーネを茹でて入れ、パスタスープにしてみたらおいしかった。

今日子



豚の話はまだ続く。豚半頭のモモの部分は生ハムにするのだが、今までの3週間は塩に漬けておいた。塩は荒塩で、これだと急に塩に漬からず、肉にじわじわと塩分がまわるのだ(オリーブの実などいろいろな塩漬けはいつもこの荒塩で行う)。

そして塩が全体に行き渡った所で、今度は水に漬けて余分な塩分を抜く。終わると赤ワインで全体を洗い、殺菌する。

とくに悪くなりやすい部分は骨が見えている先の部分で、ここを十分に殺菌する。骨が腐りやすいということで、骨をのけて生ハムを作る場合もあるが、そうするとどうしても味が落ちて元来の深い味わいがでなくなるという。

次にコショウとペペロンチーノを大量に全体に刷り込み、1年間日陰で涼しい場所で、湿度が低く風通しのよい場所に釣り下げておく。

田舎の手作りの生ハムは、パルマの生ハムのように甘味の強いものと少し違う。脂肪分も少なくて、干し肉そのものといったかんじだ。塩分が強いと嫌う人もいるが、そこは各家庭によって違う。塩をたくさんにすればたしかに腐りにくいので簡単だが、私の教えてもらった農家の生ハムは塩加減が絶妙でたまらなくおいしかった。1年も待たなくてはならないが、今から楽しみだ。

生ハムができたら脂身の部分はパスタのソースに刻んで入れたりすると途端にソースがコクのあるものに変わり、料理にも幅がでるのだ。

今日子



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