ウンブリアの田舎に引っ越して、今日で4年経ちました。ローマの中心街から田舎に来て、今でもほんとによかったと思います。
東京の友人が遊びに来た際、「ほんっとに何にもない所だねえ」とあきれていました。「何もないこともないよ、狐や狸もいるし、ふくろうが毎日見られるし、羊や牛もいるじゃない」と返事をしたのを覚えています。
来たばかりの時はガスもないし、暖房も壊れているし、電気はしょっちゅうとんでしまうし、朝食は暖炉で火をたいてお茶を沸かしたりしていました(今はもう全部使えます)。田舎生活もここまでいくとちょっと・・・、と思っていました。
庭に畑を作って、なるべく自分達で作った野菜を食べ、近所の人と仲良くなって地鶏の卵をもらい、農家で買っている牛、豚、鶏、羊などのお肉を買うようにして、庭の果物を季節ごとに楽しむなど、食べるのが好きな私には毎日本当に退屈しません。
そして大家さんのオリーブオイルがこんなにおいしくて、これらの素材によく合っていて、ますますおいしいものを発見できます。これからみなさんにも時々ご紹介できたらと思います。
今日はイタリア便りです
昼食の後、子供を寝かしつけて台所に直行。買ってきて10日ほど経つ20kgのトマトを、冬用に瓶詰めにする大仕事を始めました。最初の20kgはこの前1kgと500gの瓶に詰め終わっていたのですが、今日はその残りです。
なぜ一週間以上も放置しておくかというと、お店で買うトマトはまだあまり赤くなっていない時期から収穫してしまうので程よく熟するまで待たないとおいしくなりません。家で採れるトマトも、パスタや肉料理用のソースにするものは、収穫後、しばらく冷暗所に置いておいたほうがより熟しておいしくなります。
よく家庭菜園をやるのだから、採れたての野菜をたべられていいねと言われますが、トマトに限っては採れたてで食べるのはサラダ用のそんなに赤くないトマトで、ソース用のは3、4日置いてから使います。そのくらい熟するまで茎についていると(本当に”完熟”の状態)、害虫や天候の被害にあってダメになってしまうことが多いのです(トマトの種類にもよりますが)。
2時間かけて全部瓶に詰め終わりました(作り方は後日写真つきで載せたいと思います)。この前のとあわせて、1kgの瓶が6本、500gの瓶が17本できました。それでも来年の夏までうちで使うのには足りないので、あともう3、40kg作らないといけないようです。
大変な作業だけれど、終わった時とても満足できてうれしいものです。これで来年まで安心だなと思います。そしてたくさん並んだ赤いトマトの瓶はとてもきれいです。
この時期近所の農家の主婦達は、今年はどのくらい作ったか、どこのトマトはいくらだったかとか、それぞれのレシピの交換などをしています。
今まで子供が小さくてなかなか1人でできなかったのですが、(普通嫁、姑、叔母など総出でやる)私も今年から中に入っていろいろと情報を交換をしたりしてイタリアの田舎暮らしを実感しています。
豆とオリーブオイル
ヤフーグルメの「こぐれひでこのごはん日記」の中で、こぐれさんが豆製品とオリーブオイルの相性がいいかもと書かれていました(8月25日の日記)。本当にそうなんです。
イタリア、特にトスカーナやウンブリアなどの中部イタリアの人たちはよく豆を食べます。日本では豆は甘く煮ることが多いのですが、オリーブオイルと塩の味で、トマト味のスープの実にしてと食べ方が違っています。
イタリアのジャーナリスト、シルヴィオ・ピエルサンティはうちの社長で、オリーブオイルやはちみつを「美味しい!」って選んでいる当人でもあるわけなのですが、その彼は甘い豆には違和感がありました。日本からお土産のようかんを持って行ったときのこと、「豆のジャムだね」とパンにはさんで食べました。日本の食べ物は何でも好きなのですが、ようかんはちょっと苦手なようで、パンにはさんで凌いだ感じです。そう言えば、ドラ焼きも何とか口にしないですむようにしますねぇ。
で、ピエルサンティ家の豆料理を一つ紹介します。ひよこ豆をやわらかくゆでます。その豆とゆで汁を少し小鉢にとってオリーブオイルと塩を一つまみ。あとは好みで、イタリアンパセリでも他のハーブでもパラリとのせてそのまま召し上がれ。トマトを刻んで混ぜても合うと思います。
それではまた明日。