今日は畑でカブと白菜が採れた。カブは大きくて立派だし、白菜は例年害虫に悩まされていたが、今年はとてもきれいな白菜だった。
白菜は中国キャベツとして、今年初めてこの辺で苗を売り始めた。白菜とカブは日本食が食べたくて畑で作り始めたのだが、イタリアではどうしても日本食がおいしく出来なく、いつも食べ終わってがっくりしていた。おいしく出来ない原因は、やはり水が違うからだろう。
昆布でダシをとると、昆布がきちんと広がらなく、少し苦いダシがとれる。がんばってつくっても、”なんとなく”おいしくない。このあたりの水はもともと硬質で、やかんに毎日お湯を沸かすと、だんだん5ミリくらいの厚さのカルキができてくる。前に住んでいたローマよりひどい。
他に空気が違うとか、塩が違う、など日本でパスタを食べてなんとなく違う、と思うのと同じような気になる。そういうわけで、最近日本食はほとんど作らなくなっている。特にダシを使ったものはやめて、白いお米と生姜焼きのような味の濃いものだけにしているのだ。日本食はすごく食べたいのだが、日本に帰国する時の楽しみにとっておく。
採れたカブと白菜はニンニクとオリーブオイルで1時間ほど弱火でゆっくり炒めて塩コショウをして食べた。これがカブの甘味がとても強くでてすごくおいしい。日本でもたまに味を変えたいときに試してみてはいかがだろう。
今日子
ナスのグラタン
今日はナスのグラタンを作った。ギリシャ料理でムッサカというナスと挽肉(羊や豚など)のグラタンがあるが、今日はそれを真似て牛肉でやってみた。
ナスは5mmの厚さに切って塩をふって水気を抜く。次に油で揚げるとよくレシピに書いてあるが、揚げると油が多くてしつこくなるので、私は少量の油で焼き肉用のフライパンで焼くことにしている。
挽肉はニンニクと玉ねぎの千切りを弱火で炒めたあと、強火で炒める。その際に白か赤のワインを入れて、月桂樹の葉を2枚、トマトを少し入れてまた弱火にして2時間ほど煮る。
あとは焼いておいたナスと挽肉を交互に段にしてオーブン用のお皿に入れ、オーブンで焼くだけだ。ナスが柔らかくトロッとして挽肉に混じってとてもおいしい。白いご飯によくあう。
ナスを油で揚げるといくら油をきってもオーブンで焼いた後ジワーッと油があふれてきてしまうので、これだけ気をつければうまくいく。ナス料理はイタリアの野菜料理の中でもかなり重要視されていて、人気の野菜だ。ナスだけでいろいろな一品料理ができるし、つけあわせにもパスタにも喜ばれる。
今日子
病気の時
気管支炎を起こしてしばらく寝込んでしまった。抗生物質を飲みたくなかったので休養をとってゆっくりすることにしたのだが、良くなるのに1ヶ月もかかってしまった。
イタリアでは病気の時何を食べるのかご存知ですか?イタリア人は具合の悪い時に肉を食べろとよく言う。最初は、え?肉???と思ってしまった。
しかし肉といっても焼肉のようにこってりしたものではない。香草と一緒に茹でた牛肉や鶏肉を食べる。スープも飲む。このスープはお吸い物のような役割かもしれない。肉を食べて力をつけようという考えらしい。
それにしてももっとやさしい味がよくはないかと夫におかゆを作ったら、ウッ、まずい。味がしないしぐちゃぐちゃで気持ち悪い、と言われてしまった。梅干もすっぱくてあわないらしく、暴力的だと言っていた(夫は日本食大好きで、納豆も刺身も白いご飯もなんでも食べるのだが・・・)。それでも最近はおかゆにも慣れて、上にオリーブオイルをかけて食べるようになった。見ていて気持ち悪い。
そういえばイタリア人はなんでもアルデンテが好きで、お米もパラッと芯があるくらいで食べる。下痢の時などはジャガイモとお米を茹でたものに塩とオリーブオイルをかけて食べる。
今回1人でおかゆを作ってしみじみと食べていたら、知り合いの70歳のおばちゃんから電話があった。体調悪くて何を食べているのときかれたので、お米を煮たものと答えると、「まあ、かわいそう、そんなおいしくないもの食べて!ジャガイモになさい、ジャガイモに!」と言われてしまった。やはり外国人との意思の疎通はむずかしい。
今日子
