ニョッキはジャガイモと小麦粉を練ってゆでて食べる。しかし売ってるものやレストランで食べてみて、”なんだ、スイトンのことか”と思ったことがある人も多いのでないだろうか。

なんだかゴムみたいであまりおいしくない・・・。これが私がイタリアのレストランで何度か食べてみた時の感想だった。

そしてはじめておいしいと思ったのは友人のお母さんに作ってもらったのを食べた時だ。その人が言うには、一番大切なことはおいしいジャガイモに出会うことだそう。ジャガイモが水っぽくなく、ホクホクしたものを選ばなければならないのだが、これがなかなかむずかしい。ニョッキ用という赤い皮のジャガイモも売っているが、ホクホクしていても味があまりよくない。

イタリアの野菜はおいしいと言うが、日本に比べて当たりはずれが多い。日本の野菜果物はとてもきれいで大きさもそろっていて、見た目もいい。が、ものすごくおいしい!ということもない。

イタリアのものはそれに比べて見た目も大小様々で、味も様々だ。おいしくないものは本当に我慢して食べる気にもならない。そのままごみ箱行きになる。そのかわり当たるとすばらしい味で、まるでイタリアそのものだ。

ニョッキの話に戻るが、次に大事なのは、小麦粉をたくさん入れ過ぎないことだ。ニョッキはジャガイモの味がしなければならない。小麦粉を入れすぎると水団になってしまう。卵を入れると固まりやすくなるが、ジャガイモの状態がいいものは入れなくても固まってしまう。

そして棒状に伸ばしたものを包丁で1口大に切ってゆでる。沸騰したお湯に入れて浮いてきたら引き揚げる。おいしいものはゴムのようでなく、やわらかくてそれでいてアルデンテなのだ。

ソースはゴルゴンゾーラなどのチーズ(ジャガイモとチーズの組み合わせが最高においしい)、トマトソース、バジリコジェノベーゼ、他にアサリと白ワインでもおいしくできる。最近はジャガイモを裏ごししなくても便利な機械ができるので、ぜひうちでもやってみてほしい。

今日子