カッチャトーレというのは猟師風という意味でいろいろな肉をニンニクとローズマリー、ワインビネガーかワインで煮込んだ物のことをいう。

もともとはワインビネガーでパンチの効いた味をだすものだが、今は裕福になったのでワインを使うというところも多い。

主に鶏肉、ウサギの肉、野鳥、子やぎ、イノシシなどの肉を使う。いのしし以外はいずれも丸ごと使うのが一般的だ。

このカッチャトーレを作る時に、重要なのは最初に鍋でぶつ切りにした肉を、油をしかないで強火で焼き、水分を飛ばしてしまうことだとこの辺りの主婦は言う。

そんなに水がでるものかと思いつつ、やってみるとコップ一杯分くらいの水がでた。この方法は肉の臭みがとれて水っぽくならないのでいいと言う。

そのあと他の鍋にニンニクとオリーブオイル、ローズマリーをたっぷりいれて火のとおった肉を強火で炒め、白ワインカップ1とトマトを小さめのを2個程入れて弱火で1時間程煮込む。圧力鍋で柔らかくする方法もあるが、それは好きずきだ。

私が知っている肉の調理法といえば、最初に熱々のフライパンに油をしいて肉の表面をジュワッと焼き、おいしい肉汁をでないようにしてしまう、というのがお決まりだったように思うが、この方法はその考えに反しているなあと思う。

日本でこの方法で作ったことがないので、肉のタイプが違うせいかどうなのかよくわからない。

いずれにしても、できたものは肉にトマトの味とワインの味がしっかりついていて、確かに水っぽくない。その分きもち肉がパサッとしているかもしれない。脂肪分がたくさんあって柔らかい肉が好きな人はおやっと思うかもしれないが、私は最近こういった野性味あふれる味もとても好きで、日本にいた時と味覚がかわったかもしれないなと思う。

今日子