もうすぐ待ちに待ったオリーブの収穫だ。緑色だった庭のオリーブも、ツヤツヤした黒に変わってきた。毎年11月になると、収穫前まで2週間は雨が降ったり止んだりの毎日だ。こんなことではいつ収穫できることやらと不安になり始めた頃、やっと収穫が始まる。

今年は去年と違って実がたくさんなっている。雨もほとんどなかったし、きっとおいしいオリーブオイルがたくさんできるに違いない(去年は猛暑で花が落ちてしまい、実がほとんどなくてオイルの量がまれに見る少なさだった)。

ボジョレーヌーボーが日本では大騒ぎだが、私にしてみれば、新物のワインより、新物のオリーブオイルの方がよっぽど価値が高い。新もののオリーブオイルのすばらしい芳香や味は、どんな高級食材を並べてみても劣らない味なのだ。

すっかり冬になり、小雨のちらつく中、私は庭のブロッコレッティを採りに行く。雨で濡れたブロッコレッティは氷のように冷たく、採っていると手が真っ赤になって冷たい。

寒くなるとブロッコレッティの味がより濃くなっておいしいので、大変でも逃したくない冬野菜だ。パスタ用にニンニクとオリーブオイルを炒め、生のままザクザク切ったブロッコレッティを弱火でゆっくり蓋をして炒める。もう少しして今年の新オイルができると、ブロッコレッティのパスタにたっぷり生のオイルをかけて食べるのが楽しみでならない。

今日子